2016年 上半期の読書 21〜40
先日に引き続き、2016年1月1日〜5月31日までの読書備忘録です。簡単な感想付き。
21.
蚤は約30cmの高さを飛ぶのですが、10cm程度のコップに閉じ込めて暫くおくと、10cmしか飛べなくなります。しかし、コップから解き放ち、30cm飛ぶ蚤の側にやると、再び30cm飛べるようになります。
人間もこれと同じ原理で、自分の限界を決めると、決めた分しか飛べません。
しかし、志の高い人の側にいると、その人と同じように飛躍するイメージができ、成長できます。
そんな本です。
22.
俺のフィロソフィ 仕組みで勝って、人で圧勝する俺のイタリアンの成功哲学
- 作者: 坂本孝,福井康夫
- 出版社/メーカー: 商業界
- 発売日: 2014/08/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ブックオフ創業者であり、現在は俺の〜シリーズレストラン代表取締役社長の坂本孝氏に、株式会社メディアフラッグ代表取締役社長の福井康夫氏が、企業経営についてインタビューし、経営のノウハウを一冊にまとめています。
「仕組みで勝って、人で圧勝する」を根本に、企業経営においての人材育成の在り方を分かりやすく解説されています。
経営のプロとして、時代の流れやニーズを把握することは勿論ですが、人の力を引き出すプロフェッショナルが、真のリーダーに相応しいのだと思いました。
23.
こんなはずじゃなかった。自分はもっと崇高で、こんな奴らと一緒にされては困る。などと、新しい環境で思ったことはないだろうか?
しかし、その小さなコミュニティで抗うことに疲れ、順応することを選択し、気付けばそこが最高の世界になっていることがままある。
不条理な世界に立った人間の心理を、まるでその世界に誘われた気持ちでまざまざと見せつけられる一冊。
24.
子供の頃にショックを受けた出来事や、言われた言葉が大人になった今の自分を形成する一つの要素であることは間違いなく、未だにトラウマのように思い出されることがある。
人格形成の途中で、虐待を受けた場合など、大人になってからの影響は計り知れない。
土の中の記憶と共に生きることの葛藤、 そこから再び這い上がる苦しみ、今にも消えそうな灯火に生きる希望を見出す。
「僕は土の中から生まれたんですよ」
生と死、再生を描いた珠玉の一冊。
25.
西加奈子作品の中で、2番目に好きな作品です。
通天閣というタイトルから分かるように、大阪のど真ん中で繰り広げられる、ある男と女の物語なんですが、終盤二人の人生が交錯していくのとか鳥肌もんやし、登場人物一人一人が個性的で!
ページめくるたびに、ふふ、ふふふ、はっはっは!と笑いが止まらなくなったかと思ったら、うぅ…う…うわーん!と涙が止まらなくなる。
西加奈子は天才エンターテイナーやと思う。
何でこんなに私の気持ち分かるの!と叫び出したくなるぐらい、私の心を鷲掴みにした一冊です。
26.
ある男性の通夜に集まった、文字どおり死んでいない者たちの一夜を様々な視点で書かれた一冊。
読みながら家系図を書こうかと思ったほどでしたが、命はこうして繋がれているんだなぁと妙に感慨深くなったり。
遠い親戚とか、血の繋がりはあっても知らない人や、未だに会ったことない人なんてザラにいますものね。
27.
正直言って、読むのを敬遠していました。
何となく流行りに乗るとか、売れてるから読むとか、そういうのが嫌なのと、売れてるから自分の中の期待値が上昇してしまって、読んだ時面白くなかったら、又吉を嫌いになってしまうんちゃうかと、友達でも何でもないのに逡巡していました。
そう、私は又吉直樹が大好きなのです。
はっきり言いましょう。
火花めっちゃ面白いで!
私は更に又吉直樹のことが大好きになったし、更に本を読むことが大好きになりました。
28.
死んだ恋人の指を持ち歩く男の話です。
主人公には虚言癖があり、その境目を本人も認識できなくなる場面が幾度かありますが、その感覚は私にも覚えがあります。
人は常に、紙一重なのかもしれません。
29.30.
今までの読書体験の中で、最も感動した作品。
私はこの年齢で、この作品を読めて本当に良かったと思っています。
本に消費期限はないけれど、読むべき適齢期は必ずあると思います。
同世代に一番すすめたい作品です。
「サラバ!」西加奈子は「神様」だった。 - よむこと、かくこと、あそぶこと。
31.
自分の可能性は無限だと当たり前のように思っていた、子供の頃の私は無敵でした。
ASAYANというオーディション番組で、モーニング娘。の新メンバー募集が発表された夜、私は布団を被って泣きました。
私が東京に行ったら、お父さんとお母さんと離れて暮らさないとあかん。と。
オーディションも受けてない、況してや応募もしていないのに、です。
自分の手中には溢れんばかりの選択肢があったあの頃。環境や容姿など言い訳にしなかったあの頃。
長嶋少年を読んで、少しだけあの頃の私を呼び覚ますことが出来ました。
32.
町田康のデビュー作です。
外で読むのはお勧めしません。
何故なら大声で笑ってしまうからです。
主人公の語り口は、まるで高座を観ているような心持ちにさせ、情景がありありと浮かびます。
33.
私にはまだ早かったかもしれません。
100冊読んで、また読み返したいと思います。
34.
西加奈子珠玉の恋愛小説。
人を好きになるということは、理屈じゃないのだと思います。富嶽百景を読んだ後だったからか、クライマックスは何だか不思議な気持ちになりました。
痛い痛い恋愛を誰もが一度は経験している。
真っ直ぐ突き刺さる純愛文学です。
35.
私、もう30ですが、こっこの気持ちめっちゃ分かる!眼帯に憧れたり、自分にない雰囲気を纏った子に惹かれたり、めっちゃ分かる!
大人になって対象が変わっただけで、露骨に表現しないだけで、未だにそんな部分を引きずってる私。
こっこの夏、成長の夏。
家族の愛に守られて、少しずつ変化していくこっこを温かい目で見守りながら、自分自身を見つめるきっかけをくれる爽快な作品。
36.
以前少しだけ通信大学に通っていた時に、スクーリングで助教授に勧められた一冊。
コンプレックスの原因や、それによる影響を症例を交えて書かれています。
人との会話の中で激しく反抗したくなったり、理由は無いけどいけ好かない存在の人など、コンプレックスが要因となっていることが分かることで、私はかなり楽になりました。
37.
朝日新聞デジタル専用コーナーの一つとして掲載された「今日も傍聴席にいます」。
家族間で起こった殺人や、詐欺、横領の事件概要と公判内容をまとめた一冊。
あなたが当たり前に生活しているすぐ側で、息苦しさを感じている人はいませんか?
他人事では無い事件が、今日もすぐ側で起こっているかもしれません。
38.
吉本のフリーペーパーで連載されていた、又吉直樹の書評をまとめた一冊。本の紹介を通して、又吉自身のエピソードも散りばめられたエッセイ要素の強い作品。
中村文則との対談も読み応えあり、この一冊に私の読書傾向はかなり影響されています。
39.
アメトーークの読書芸人で、又吉が紹介していた一冊。
嫉妬され囚われた詩人は監禁され、脱出するためにかなり不条理な条件を並べられます。
ラーメン必死に作ります。
これも100冊読んでから、もう一回読みます。
40.
恥ずかしながら、芥川を今まで読んできませんでした。
幼い頃の冒険心と、走り過ぎた後の押し寄せる不安。時代が変わっても読まれ続ける理由は、その普遍的で誰もが経験した感覚を細やかに書き上げているからだと感じました。
次回は41〜60。
では、また。